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2013年7月17日
神道では七五三を最重要視しています。
神社の注連縄(しめなわ)の事を、七五三縄と言ったり、
端午の節句で、雛祭り3/3・端午の節句5/5・七夕7/7に重要な節句があったり、
三歳・五歳・七歳の節目には、子供の成長を祝ったりもします。
▼神道をよく知らない方は下記をどうぞ(解説本の中では最良です)
しかし、「この七五三の由来は何なのか?」と聞かれると、多くの人はそれを知りません。
記紀においての七五三は、天照とスサノオの誓約の時に産まれた三柱の女神、五柱の男神、
さらに、神代七夜において、天地を創造した七組の天神を指します。
ですが、残念ながら、それも神道の七五三の直接の由来では無いと思われます。
日本の神道は、(古来の自然崇拝のアミニズムも別に古神道として存在しますが)
天神の理を道教を用いて読み解くもので、
紀元前5世紀の老子による道教の影響を受けています。神仙道=神道とも言えます。
そして、実は、七五三も、この古代中国の道教思想から来ているのです。
浦島太郎も、典型的な道教思想が反映された物語です。
浦島太郎のお姫様は、一般的には、乙姫で知られていますが、
丹後の国風土記では、亀比売(かめひめ)とされています。
浦島太郎が海で獲った五色の亀がそのまま、亀比売(かめひめ)という女性になるなど、
現代で知られている浦島太郎のと原文のストーリーとでは、少々差異があります。
この、亀比売(かめひめ)となった五色の亀にも、道教思想が含まれていて、
五色亀の五色とは、(七夕の五色の短冊と同様に)五行思想を表しています。
五行思想とは、木火土金水で表される相生・相克の考え方ですが、
十干(じっかん)の、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸にも五行思想が含まれています。
「前回の記事」で述べた通り、浦島太郎の正式名である瑞江浦島子の"瑞江"とは、
五行思想の壬(みずのえ)=水の兄から来ています。
また、それと同時に、五色の亀というように、なぜ、亀が充てられているかと言えば、
亀は、七五三の発祥でもあるからなのです。
七五三の起源は、古代中国の『易経(えききょう)』にある河図洛書のうち、洛書から来ています。
中国の古代王朝の夏(紀元前2070年頃 - 紀元前1600年頃)の禹王(うおう)の時代、
禹王は、洛水(洛河)が9年連続で氾濫したしたので、洪水を治めるため治水工事をしました。
▼洛水は、黄河の支流で豫州の洛陽のすぐ南を流れる河
その治水工事の際、洛水から一匹の亀が現れます。
不思議な亀で、背中の甲羅には、不思議な図形が書いてありました。
その図形のことを、洛書と言います。
そして、下記が、その洛書の図形です。
▼洛書
ご覧のように、中央の白い○が、右から順に、7、5、3、、、と続いているのが分かります。
これこそ、七五三の原型の図形です。
その図形は、のちに九数図としてまとめられます。
これは、3×3の魔法陣とも言われているものです。
▼九数図
神道では、注連縄を七五三縄と書きますが、
吉田神道の注連縄では、ワラを右から順に、7本、5本、3本と垂らすのが、正式な注連縄です。
このように、神道の七五三は、古代中国の洛書の亀がルーツにある訳です。
こう言う事を知っていると、7月7日に瑞江浦島子が海で獲った「五色の亀」とは、
五行説に基づく五色と、七五三の洛書の亀がモデルなのだな・・・と気付く訳です。
もちろん、亀がモチーフとされている理由は他にもあります。
管理人が思うに、浦島太郎は、七夕説話以外に、
海部氏とも関係のある下記の三つの事柄を組み合わせて作られていると思います。
- ①竹で編んだ籠船に乗って、龍神に玉依姫(玉)を貰い受ける、海幸山幸の神話
- ②神武天皇の東征時に、速吸門(明石海峡)で亀の甲に乗って現れた倭宿禰の伝説
- ③雄略天皇の時代に起きた市部押磐皇子殺害事件(※詳細は、後日、別途書きます)
このうち、浦島太郎で亀が出てくる理由については、②の倭宿禰命の影響だろうと思います。
▼倭宿禰命(ヤマトスクネノミコト)
管理人が思うに、丹後国の国司として赴任した伊予部馬飼(いよべのうまかい)は、
海幸山幸の神話(目無し籠の船)や、海部氏の先祖である亀の甲に乗った倭宿禰をモデルに、
雄略紀に起きた事件になぞらえて、瑞江浦嶋子の物語を創作した可能性が高いです。
その瑞江浦島子伝説が、なぜ作られる必要があったのか?
そして、なぜ、日本書紀の雄略紀の中で、
物語の全部は語らず、一言だけ言及されているのか?と言うと、、、
恐らく、記紀の中で、まともに話すとマズイ事柄があったのだと思います。
だからこそ、日本書紀という正史では浦島伝説を扱わず、
伝説をまとめた風土記の方に、敢えて"物語"という形で真相を封印した。
・・・というのが、浦島太郎の真実だと思います。
そして、その浦島太郎の真相を解くヒントが、七夕説話であり、
丹後と近江、葛城にそれぞれ残る朝妻の地名なのだろうと思います。
▼朝妻の地名を解くヒントは、下記の本にあり・・・
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