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2013年3月17日
※今回の記事は、今後の記事のための基礎資料です
延長5年(927年)にまとめられた延喜式の巻九・十の延喜式神名帳には、
当時「官社」とされていた全国の神社一覧が掲載されています。
その延喜式神名帳に記載された神社は、実に、全国2861社(鎮座する神の数は3132座)
にものぼり、日本の古代の神道研究には欠かせない資料になっています。
※この延喜式神名帳に記載された神社の事を、式内社と言います
古代日本の律令制である五畿七道(ごきしちどう)別の、
全国の延喜式式内社数の一覧は、下記の通りです。
こうして見ると、式内社の数は、政治の中心地に近い畿内に多く、
九州・四国・関東・東北などは、式内社が少ないのが分かります。
下記は、全国の延喜式式内社の数をランキングで示し、かつ、地域を色別に分けて
見易くしものですが、畿内に近い県ほど、式内社の数が多くなる傾向が見られます。
この通り、「政治の中心地」と「祭祀施設数」は、相関関係にあるようで、
古来、政治と祭祀が一体となって行われてきた様子が、式内社数からも垣間見えます。
式内社の上位トップスリーは、多分、皆さん納得すると思いますが、
大和・伊勢・出雲、、、といった記紀神話でもお馴染みの国が上位を占めています。
- 1位:大和朝廷のあった大和(286社)
- 2位:伊勢神宮のある伊勢(253社)
- 3位:出雲大社のある出雲(187社)
- 4位:近江(155社)
- 5位:但馬(131社)
- 6位:越前(126社)
- 7位:山城(122社)
大和・伊勢・出雲に神社が多いのは、ある意味、当然ですね^^;
ただ、ここでよく考えて貰いたいのが、4位の近江の存在なんです。
確かに近江の地は、伊邪那岐命が鎮座したと多賀大社(犬上郡)があり、
神宮皇后が、坂田郡に拠点を持つ息長氏出身であったことなど、
近江は色々、記紀神話にゆかりの深い地ではあります。
しかし、それにしても滋賀という山間部と琵琶湖に挟まれた狭い盆地の中で、
全国4位の式内社数があるというのは、、、どう見ても異様に思えます。
それで、管理人は、気になって近江の式内社の分布について調べてみたんです。
・・・すると、面白い傾向が見えてきました^^
口で説明するよりも、見た方が早いと思いますので、
まずは、下記をご覧ください。
下記は近江の国における式内社の分布です。
近江の国の式内社の155社(ただし廃絶した神社を除く)をプロットしてあります。
より大きな地図で 式内社(近江) を表示
※式内社の論社が複数ある神社は、管理人の独断と偏見により可能性の高い1社に絞って表示しています
※郡別に色分けしてあります
<近江国 式内社155社の内訳>
- 伊香郡 46座(大1座・小45座)
- 高島郡 34座(大2座・小32座)
- 浅井郡 14座(並小)
- 蒲生郡 11座(大1座・小10座)
- 野洲郡 9座(大2座・小7座)
- 甲賀郡 8座(大2座・小6座)
- 栗太郡 8座(大2座・小6座)
- 滋賀郡 8座(大3座・小5座)
- 犬上郡 7座(並小)
- 坂田郡 5座(並小)
- 愛智郡 3座(並小)
- 神崎郡 2座(並小)
いかがでしょうか。
見ると分かると思うのですが、明らかに北近江に式内社が集まっているのが分かります。
特に、伊香郡・高島郡の式内社数は異常なほどに多いです。
(この2郡だけで式内社数は80箇所にのぼり、全国12位に相当します)
また、同時に多賀大社のある犬上郡や息長氏の本拠地である坂田郡は案外少なく、
北近江でも、旧長浜市内は式内社がゼロという、妙なアンバランスも見えます。
いったい、なぜ、こんな事になっているのでしょうか?
伊香郡・高島郡には、いったい、何が隠されていると言うのでしょうか?
ここには、きっと何か重大な謎が含まれているはずです。
さきほど「政治の中心地」と「祭祀施設数」は、相関関係にあると述べましたが・・・
この傾向を考慮するならば、この式内社の異常な多さは、、、
古来、この北近江に「政治と祭祀の拠点」があったと考えるべきではないでしょうか。
だとすると、こうした北近江に拠点を持った勢力とは誰なのか?
これについては、色々考えられますが・・・
今回はあくまで資料整理中心の記事ですので、謎解きの方は、また次回以降にでも^^
PS.
記紀の神代の時代の謎を解くには、まず、場所を特定することが大事だと思いますが、
記紀の謎は、(途中から)滋賀県を通して見ると、多くの謎が解けてきます。
▼あの古代文献「ホツマツタエ」も、北近江の高島郡安曇川町で見つかっています。
近江の国には、まだまだ秘密が隠されています。
『ホツマツタヱ』を読み解く―日本の古代文字が語る縄文時代
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※結局は、日本人がいつも神棚に祀る「お米・水・塩」の3つを確保することが、人間が生きる上で重要な訳です^^