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2015年3月13日
ちょっと気になった記事が合ったので、こちらでも取り上げます^^;
昨日、ヤフートピックスで、下記のニュースがありました。
何でも、「平成」という文字が書かれた平安土器が出て来たとか。。。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150312-00000032-asahi-soci.view-000
三重県埋蔵文化財センターは、松阪市和屋町の朝見遺跡で「平成」と書かれた
平安時代中期(10世紀前半)の墨書土器片が出土したと発表した。
櫛田川の氾濫(はんらん)を鎮めるための祭事に使われたと推定している。センターによると、土器片は長さ約12センチ、幅約10センチ。
「平成」の墨書は長さ約5センチ、幅約2・5センチ。「平成」の墨書土器出土は県内では初めて。全国でも極めて珍しいのではないかという。
当時の櫛田川の川底跡から、「保平」など「平」の字が書かれた他の墨書土器片とともに見つかった。
担当者は「洪水への平穏無事を祈るために書いたのではないか」と話す。
写真の文字を見る限り、下にある「成」以外は、「平」の周囲に文字は無さそうです。
と言う事は、縦書きで、「平成」と書かれていた事になると思います。
となると、、、平安時代には、
何かしら、「平成」という文字を使っていたと言う事になる訳ですね。。。
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実は、、、最近、管理人は、大枚はたいて、「鴎外全集(第20巻)」を買いました^^;
高かったです、この本。。。図書館でも滅多に置いてるところはありませんで、、、
古書だから仕方ないですが。
この「鴎外全集(第20巻)」だけは、ちょっと特殊でして、、、
中に、「帝諡孝」と「元號孝」という特殊な本が入っています。
漢文のエキスパートだった森鴎外によって、、、
どの中国古典のどこに準拠して、日本の天皇の諡号と、各時代の元号が採用されたか?
これが徹底的に考察された日本ではただ一つの論文です。
例えば、明治の元号ならば、「元號孝」には、下記のように書いてます。
<鴎外全集(第20巻) 元號孝 明治より>
明治 明治天皇・慶応四年。
易。[説卦]離也者明也、萬物皆相見、南方之卦也、聖人南面而聽天下、嚮明而治、蓋取諸此也。
阮籍通易論。南面聽斷、向明而治。
はい。こんな調子で、全て漢文で書かれてあります(;;
なので、漢文が読めないと、「元號孝」で書いている意味が分かりません(苦笑
※帝諡孝もこんな感じで書かれてます
それで、上記の明治の事例なら、「易経」や「阮籍通易論」の記述にある、
易(南方の卦)を持って、明治の元号が名付けられた。
、、、と言う事が推測できるのですね。
でも、、、鴎外全集(第20巻)の「元號孝」で書かれているのは、、、
大化から大正の元号までしか、納められていません。
したがって、「昭和」や「平成」の由来については、この本では分かりません。
・・・いったいなぜ、今はなぜ「平成」なのか?その由来は何なのか?
コレを確かめてみると、、、
「Wikipediaの平成」にはこう書いてました。
新元号の発表時に小渕恵三が述べた「平成」の名前の由来は、
『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、
『書経』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」からで
「内外、天地とも平和が達成される」という意味。日本において元号に「成」が付くのはこれが初めてであるが、
「大成」(北周)や「成化」(明)など、外国の年号や13代成務天皇の諡号にも
使用されており、「平成」は慣例に即した古典的な元号と言える。江戸時代最末期、「慶応」と改元された際の別案に「平成」が有り、
出典も同じ『史記』と『書経』からとされている。
まぁ、確かに、こういう事実があるので、平成の説明は一応付いているようには見えます。
しかし、、、
内平外成
地平天成
この説明をそのまま鵜呑みにすると、平と成との間が離れちゃっているんですよね。
一方、今回発見された、平安土器では、
まぎれもなく、「平」と「成」とが、並んで書かれています。
したがって、この平安土器に記載のある「平成」は、
「平成」の一般的な由来の「内平外成」や「地平天成」では、説明が付かない語句なのです。
・・・ではいったい、もとの「平成」とは、いったい、どんな語句だったのでしょうか?
森鴎外の「元號孝」によると、歴代の元号は、ほとんど中国古典から採用されています。
したがって、「平成」も、中国古典から採用されているのは間違いないでしょう。
では、「平成」という言葉が、そのまま出てくる資料は無いか?
そうやって、中国の古代文献を探ってみると、、、
実は、「平成」の「平」と「成」とが、並んで書かれてある書物が、たった2つだけあります。
一つ目は、コレです。
①東觀漢記 傳五 呉漢
呉漢平成都,乘筏從江下巴郡,盜賊解散。
(呉漢は成都を平らげ、、、)
まぁ、一つ目は、見ての通り、偶然、成都という都市名と
平(たいらげる)の動詞が重なった事例なので、たまたまですね^^;
そして、、、二つ目は、コレなんです。
②後漢書 列傳 桓榮丁鴻列傳
孝昭皇帝八歳即位,大臣輔政,
亦選名儒韋賢、蔡義、夏侯勝等入授於前,平成聖德
(前漢の第8代皇帝が、昭帝で、その昭帝は、僅か8歳で即位しますが、
その後見として、大臣によって政務が輔弼されることになりました。
また、名儒者の韋賢(いけん)、蔡義(さいぎ)、夏侯勝(かこうしょう)などが、
入授する前は、平成聖德であった・・・)
漢詩文なので、私の訳が合っているか微妙なのではありますが・・・
「平成-聖徳」という妙に奇妙な文字が、後漢書に出ているのが分かります。
唯一中国古典に唯一出てくる「平成」と言う文字は、、、
なぜか、その後ろに聖徳太子の「聖徳」がくっついてます。
この「聖徳」という文字については、
中国古典でも、まずまず頻繁に出てくる言葉ではありますが・・・
漢の昭帝の時代の列伝に、「平成-聖徳」の記述があるのは、
何か、昭和-平成に通じているようで、奇妙な感覚もあります。
今回出てきた平安土器の「平成」は、
後漢書の「平成-聖徳」から来ているのかは分かりませんが・・・
「平成」という元号に、妙な感覚を改めて感じた今日この頃です^^;
ちなみに、「Wikipediaの平成」には、補注で、下記のように、書いてました。
平治以来「平」で始まる元号がないのは、
平治が戦役によって混乱した時代であったためであり、
「平」で始まる元号はこれを避けるのが故実である。
また、「平」「成」の文字の中に「干(=楯)」「戈(=鉾)」があり、
「干戈(戦争を意味する)」に通じる。
どうも、有職故実的に考えると、「平」の文字は、
平治の乱以来、使うのが避けられていたっぽいです。
それが、敢えて、今の時代、敢えて付けられたのも、何か不思議と言えば不思議ですね。
また、戦争を意味する「干戈」が「平成」に隠されているのは、意外でした。
宮内庁は知ってて、この年号を付けたのでしょうか。謎です。。。
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